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Releases: InnerSourceCommons/jp-contents

Understanding the InnerSource Checklist

18 Jun 01:32
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InnerSource Commons Japan として、Understanding the InnerSource Checklist を公開しましIた。
本書は O'Reilly Media, Inc. より正式に翻訳許可を受け、CC-BY-NC-SA 4.0 のライセンスのもと こちらの GitBook で公開されています

インナーソース入門 (原題: Getting Started with InnerSource)

02 Nov 02:48
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InnerSource Commons Japan として、「インナーソース入門」(原題: Getting Started with InnerSource) を公開しました。
本書は O'Reilly Media, Inc. より正式に翻訳許可を受け、CC-BY-NC-SA 4.0 のライセンスのもと こちらの GitBook で公開されています

本書の各セクションの翻訳は InnerSource Commons Japan の以下以下のメンバーを中心に実施しました。
@amixedcolor, @bory-kb, @kawaguti, @masskaneko, @shrimp78, @ystk, @yuhattor (代表)
皆様のコントリビューションに感謝いたします。

Andy Oram 氏から日本の読者に向けて

著者として日本語版の発刊を嬉しく思います。 O’Reilly Media から英語版の本書が世に出たのは 2015年7月のことで、同社のレポートの中でもトップクラスの人気が何年も続きました。 本書の日本語版が提供されたことで、日本でもソフトウェア開発方法を変革することはもちろん、コミュニケーションが根本から強化され、社内のどこにでも高品質な貢献をできるオープンな体質の実現が容易になりました。 日本の多くの大企業が本書で語られている協働的なプログラミングの恩恵を受けられるのではないか、と私は期待しています。 協働と個人の尊重を理念とした企業文化とは、様々なチームの人材と才能を合わせ、他のチームと共にソフトウェア開発を乗り越えてゆくことから生まれるのです。 インナーソースという働き方を学ぶことは、開発者も企業もオープンソースソフトウェアの価値を理解するのに役立ちます。 この理解こそがインナーソースの推進者が常に目指してきた核となる目標なのです。

As the author of Getting Started with InnerSource, I’m very happy to see a Japanese translation. O’Reilly Media released Getting Started with InnerSource in English in July 2015, and for several years it held top spot among our reports in attracting readers. Now it can play a role in Japan, not only to transform software practices, but to put communications on a firmer ground and open up organizations to high-quality contributions from all over the company. I think that a lot of large companies in Japan would benefit from instituting the type of collaborative programming described in the report. A business culture so oriented toward collaboration and personal respect can thrive by bringing talent from each team to improve the software managed by other teams. Learning the InnerSource way of working also helps programmers and companies appreciate the value of open source software, which has always been a key goal of the promoters of InnerSource.

Andy Oram, author and editor
https://www.praxagora.com/

翻訳プロジェクトについて

本書籍の翻訳時、日本では「デジタルトランスフォーメーション(DX)」がバズワードとして注目されています。 しかしデジタルトランスフォーメーションを体現しようとする企業は本質的にソフトウェア企業となる必要があり、社内でソフトウェアエンジニアをかかえる内製化に舵を切ることになります。一方でデジタルトランスフォーメーションを声高に叫ぶ組織が、そのようなエンジニアリングの根本的な課題に取り組んでいるかについては、疑問の余地があるでしょう。

インナーソースはオープンソースの文化やプラクティスを企業に持ち込むことで、社内のサイロを壊しコラボレーションを加速させることが主な目的です。また、インナーソースは社内でコードを育てて共有する文化を作ることにより、エンジニアがより効率的に、そして幸せに働けるようになることにも貢献します。エンジニアが幸せになれる風通しの良いコラボレーションが社内に存在すれば、組織とエンジニアの関係も良好になるでしょう。
コロナ禍はエンジニアの働き方を変えました。リモートでの開発が増えた結果、今まで以上に非同期でコミュニケーションを行う必要性が高まっています。時間や場所を異にするメンバーがコラボレーションする時代に求められているのは、積極的なドキュメンテーション文化です。もともとが国と時間を超えたコラボレーションであるオープンソースの考え方を組織に統合したインナーソースは、今後の分散化した組織による開発にも貢献してくれることでしょう。

ただし、インナーソースは一夜にて育つことはありません。インナーソースは多くの個人が果たした有志の貢献によって醸成されます。エンジニアの働く環境を改善し、共創が生まれる組織を実現するためにインナーソースは全ての人に開かれています。InnerSource Commons はインナーソースの理解、適用、実践を推進する公益団体です。知識と経験を蓄積、共有し、ベストプラクティスを見つけ、普及活動をする、その実態は世界中の有志メンバーの貢献によるものです。本書の翻訳も有志の貢献により実現しました。

この翻訳には和訳以上に、大変大きなものが含まれています。本書の翻訳はインナーソースに関する初期のプロジェクトで、そもそもインナーソースについての日本語における共通理解が存在しないところがスタートラインでした。インナーソースの代表的なロールである "トラステッドコミッター" の存在や、正しい文章の捉え方など、コミュニティで多くの意見交換がされ、翻訳に至っています。私を含めたコミュニティメンバーにとっても、本書の翻訳活動はインナーソースを正しく学ぶ良い機会になりました。

この本を読んだあなたは、インナーソースを理解する第一歩を踏み出しました。この旅は文化変革の旅であり、終わることはありません。 しかし、心配ご無用! この旅には InnerSource Commons をはじめとした世界中の強力な仲間がいます。それに加え、インナーソースを実現するためのパターン集である インナーソース パターンブック と、順を追って学べる教材の インナーソース ラーニングパス も提供されています。是非一緒にインナーソースの旅を楽しみましょう!

服部 佑樹